今回のeスポーツビジネス特集は、ディスプレイモニターの持ち運びを簡単にできる製品を開発したE AND I CREATIONS(イー アンド アイ クリエイションズ 代表の遠藤愛子さんの商品をご紹介。
ディスプレイモニター用キャリングケース 製品開発エピソード
早速ですが、この製品を作る “きっかけ” をお伺い出来ますか?
遠藤さん
私は、映像配信業界の音響の仕事をしており、eスポーツやゲーム業界での撮影の現場に携わることが多く、モニターやスピーカーを搬入するときに気泡緩衝材(エアキャップ)を使っての梱包する事が普通だったのですね。
大小様々なサイズを梱包するので梱包材で包むのも一苦労だったり、重い機材ケースで梱包したモニターを持つのも1人1台なので、作業の効率化を考えたのが “きっかけ” でした。この製品を使用すると纏めて4台同時に運べるので作業軽減にもなります。
確かにモニターですと大小さまざまなサイズがありますよね。現場での実体験がこの製品を生み出すきっかけだったのですね。
遠藤さん
そうですね。個人的に裁縫が得意なこともあり、スピーカーの梱包用ケースなどを仕事でも作っていたので、会社内でサンプルを作って、リクエストに応えながら改良を重ねて今の形になりました。
その結果、社内では重宝されて使われることが当たり前になっていきました。そういった背景や好評いただいた事もあり、より多くの人に使ってもらい便利さを味わってもらいたいという思いで商品化する事にしました。
機材を運搬する際はハードケースを使っているイメージが強いですが、ソフトケースを開発された理由などあれば教えてください。
遠藤さん
ハードケースは頑丈ですが、重くて場所が取られることがあると思います。この製品は素材を綿やナイロンを使用していて軽さと持ち運びの便利さがあります。車で運ぶ際にも重ね方を工夫する事で、ハードケースより場所を節約できます。モニター2枚だけ運ぶ際などでは、気軽に運べますよ。
一般の方向けというより業務で使用される方向けに開発されたイメージでしょうか?
遠藤さん
きっかけがそういった目線から入っていますので、業務で使ってもらえると実感を得やすいとは思いますが、個人の方向けにもカラーバリエーションも考えているので一般の方にも使いやすい商品になっていると思います。
販売サイトにも記載していますが、カスタムメイドで湾曲モニターにも対応できます。また、モニター以外にもスピーカーのケース等も対応しています。
ディスプレイモニター用キャリングケース 製品情報詳細
製品について詳しくお伺いいたします。商品を作るうえで素材、生地選びはどういう基準で選ばれたのでしょうか。
遠藤さん
素材はコットンをメインに採用しています。電子機器を梱包するので静電気に配慮し、内側はキルティングをしていて、外側にナイロンを使用する事で、摩擦や摩耗にも強く軽い耐久性を実現させています。
製品のコンセプトとして大事にしているところはありますでしょうか?
遠藤さん
凄くシンプルに作っていて簡単に取り付け、取り外しが出来ることがコンセプトです。
取り外し方法は、極めて簡単でバックルを外して上にめくるだけです。所要時間は、たったの3秒です。両脇が5cm幅のマジックテープになっているので、モニターのサイズに合わせて幅を固定することもできます。一度固定すれば、以降はマジックテープを外さなくても、脱着可能です。もちろん、収納時も被せてバックルをつけるだけの簡単作業です。3ポイントで取り付けが出来ます。
従来だと養生テープで纏めていたコード類などの付属品も一緒に収納できるので作業が手早くなりますし、コード類は端子によって複数あるので一緒にしまえるとなくす心配もなくなると思います。
持ち運びの際、モニターは段ボールなどにしまうことが多いですよね。コードもどこにしまったか分からなくなってしまったり、複数のコードを一つのケースに纏めてしまう事もないですね。
最後に今後の展望をお伺いできますか?
遠藤さん
色々とカラーバリエーションやロゴのプリントなどのバリエーションを増やすことでより一般ユーザーのニーズにも使ってもらいたいと思っています。eスポーツ業界は今後も規模が拡大していますので、モニター台数を多く使う業界だからこそ運搬用ケースの需要があると思っています。
最終的には、日常でも使ってもらえるような定番の商品になるのが目標です。
▼製品詳細データはこちら(公式販売オンラインショップから引用)
E AND I CREATIONS公式オンラインショップはこちら E AND I CREATIONS公式フェイスブックはこちら筆者の感想
今回のインタビューを通して、受注生産でカスタムメイドできるメリットや現場の経験を凝縮されている事に説得力が強い商品だと感じました。
実際に触って使ってみて、ノートPCを入れたカバンの如く持ちやすく、運びやすさを感じました。今回使用させて頂いたのは黒色の外側がナイロンのモデル。シックで日常使いが出来るモデルでした。
遠藤さんは「買っていただいて、使用していただいた感想のフィードバックを頂きながら、ニーズに応えられるようにしていきたいです。」と語っていただきました。少しでも便利なものや作業効率、働く人の負担を減らしたいという思いがヒシヒシと伝わりました。
eスポーツに携わる、企業、人、選手、自治体、学校などが増えてきているなかで、新たな製品やビジネスが生まれるきっかけは誰かを助けたい思いなのかもしれません。改めて、eスポーツ業界の展望が楽しみになってきました。